全3話で一つの事件を解決していくスウェーデン制作のミステリードラマ。
はみ出し刑事ベックストレームが小さな相棒エドヴィンと難事件を解決する・・・というイントロダクションに、でこぼこコンビの微笑ましいドラマかと思って騙された。
とにかく主役のベックストレームの性格が悪い。自信過剰で他人の悪口を平気で口にする。自信過剰は実力と経験に裏打ちされたものだからまだ我慢できるとしても他人のことを平気でけなす神経には共感できない。女グセもすこぶる悪くてすぐ手を出すし、相手が悪人ならば窃盗も平気でする。極めてブラックに近いグレーな警官。それでも越えてはいけない一線はしっかり守っていて、殺された被害者にはどこまでも寄り添う姿勢を見せるものだからたちが悪い。
最初は口が悪いけど正義を貫く良い警官かと思わせて、中盤で「おい、こいつ実は悪い奴なんじゃね?」と疑い始め、最後には「まあ、悪徳警官ではなかったな。マフィアから大金ネコババしやがったけど」ってなった。
正直あまり私の好きなタイプの主人公ではない。たまにストーリが進んでいくうちに、実は犯人は主役の警官でしたというパターンのミステリードラマがあるけれど、あれ、ほんと好きじゃないんだよ。警官にはあくまでも正義の味方でいて欲しいと勝手に夢見ているもので。悪徳警官が出てきてもそれを主役が捕まえるパターンは別にいいんだけど、主役が悪徳警官だった場合はもう救いようがなくて気持ちの持って行き場がなくてつらい。そして主役が悪徳警官の場合、だいたいにおいて最後には主役が行った悪行はうまく隠蔽されてしまう。それがまた好きじゃないんだ、私は。
このベックストレームは、ギリギリのところで悪徳警官ではないからまだセーフ。限りなく黒に近いグレーだけど。でもまだ越えてはいけない一線は守っているからギリセーフだ。
あと子どもに優しいところだけは良い。エドヴィンとのコンビはいい感じだった。それに新任の副検察の女性と初めは衝突していたけれど、途中から信頼関係を築いていく過程もよかった。
逆に最初は信頼していた女性刑事と途中でギクシャクしちゃったけど、あれはベックストレームが悪いだろ。あんなの疑われても仕方がない。行くと言っておきながら犯罪現場に現れず、仕事をほっぽり出して女性と食事して、挙句の果てにその女性が実はスパイで情報が漏れていたんだから、結果的にはベックストレームの責任だと思うぞ。
ちょっと主役に辛口な感想になってしまったけれど、そのうちシーズン2も見ようと思う。できれば主役がこれ以上、グレーな行動をせずにいてくれればいいんだけれど。ちょっとシーズン2を見るのが恐い気もしている。