The History Hour

華流ドラマ・海外ドラマの感想や幻想水滸伝のプレイ日記が中心。推しを愛でるのが目的なのでネタバレ満載です☆

【海外ドラマ】正直すぎる捜査官ヴェルネと聖域捜査班:富と権力に立ち向かえ!痛快クライムミステリー

2024年7月13日(土)視聴 ミステリーチャンネル

頑固で偏屈者の元刑事ヴェルネが富と権力で事件を揉み消す”聖域”にいる奴らを傍若無人に打ち倒していく1話完結のクライムミステリー。
2022~2023年、フランス制作/尺:約105~110分×全2話/原題:Everybody Lies

これぞまさしく由緒正しき刑事ドラマだった。捜査チームが犯人を逮捕するまでを描く正統派のクライムミステリー。

ただちょっと違うのは、犯人が誰かを捜し当てるのではなく、犯人は最初からわかっていて、そいつらをどうやって追い詰めていくかを描いたストーリー。

なにせ相手にするのは”聖域”と呼ばれる富や権力を持った奴らなので事件を揉み消そうとする。そんな奴らを相手に捜査チームがどのように立ち向かうのか・・・というのが見どころ。

 

基本的にはきちんと捜査して動かぬ証拠をつきつける流れになるのだけれど、捜査方法が違法すれすれ?いや、もうこれは違法なのか?という手をけっこう使ってくる。

特に主人公のヴェルネが警察をクビになった元刑事で、今は警察監修とかいうわけのわからない立場で捜査に加わっているものだから、けっこうやりたい放題やる。

性格もかなりの偏屈者で周りの目を気にせずに言いたいことを言って、やりたいことをやるような人。大ヒットした英国ドラマ『SHERLOCK』に登場するホームズにちょっと似た感じかな。はたから見れば間違いなく変人。でもヴェルネはホームズよりは常識人。あっちはかなりぶっ飛んでたからな。さすがにあれに並ぶ変人はいない。

それにお隣さんに恋をしたり、子どもの相手をしてあげたり、被害者に同情を寄せたり、割と共感力はある。行動がぶっ飛んでるから変人に見えるけど、思考回路はけっこうまとも。正義感や倫理観がきちんと備わっている人。

このドラマのいいところは、主人公をはじめ捜査チームの面々がみんな善人なところだな。いや、これは単なる私の趣味なんだけど、たまに主人公の刑事が実は犯人だったり、過去に殺人を犯したことのある人間だったりするドラマって世の中にけっこうたくさんあって、そういうの本当に苦手なんだよ。捜査する側の人間はみんな善人でいて欲しいという願望がある。私はミステリーの謎解きよりも、チーム内での楽しいやりとりを見ているほうが好きなので、みんなで仲良く力を合わせて捜査してくれるのが一番いい。そういう意味では『アストリッドとラファエル』は、仲間が全員ナイスなキャラで理想的なドラマだった。

 

捜査方法は現代的。特に相手の携帯電話に侵入してデータを盗み取るという手をかなり頻繁に使ってくる。これってさ、違法捜査だよね? 相手の知らないうちに勝手にスマホに侵入するのって違法だよね? 普通の刑事ドラマはちゃんとスマホを押収してデータを確認するもんな。こんな捜査をする刑事ドラマは初めてみたよ。それにしても本当にあんな方法でスマホに侵入できるものなんだろうか? そばにいるだけで侵入できるなら、満員電車とかめっちゃ怖いじゃん。

それにヴェルネがけっこう心理戦をかけてくる。この人、めっちゃ頭がいいんだよな。なかなか動かぬ証拠がつかめないと、最後はヴェルネが犯人をひっかけるんだよ。このへんはちょっと刑事コロンボに似てるかな。コロンボも犯人をしょっちゅう罠にかけてたからな。

 

また、捜査の合間には、ヴェルネや主要メンバーの人間性やバックグラウンドのわかるエピソードが差し挟まれたりして、一人一人の設定がかなり細かく作り込まれている。これはきっとシーズン2以降も制作予定なんだろうな。欧州のドラマ事情がどうなっているのか知らないけれど、1話で約2時間あるとはいえ、1シーズンで全2話はちょっと少なすぎはしないか? 1年に1シーズンずつ制作していくのだとすると、あっというまに俳優さん達が歳を取ってしまうので、シリーズ化するならもうちょっと本数を増やして欲しい。余計なお世話ですみません。

 

ヴェルネといい感じになってるお隣さん。なんか裏がありそうで怖い。シーズン2でお隣さんの謎が明らかになるのかな?

「ケースに隠れてレバノンに逃亡したヤツ」というセリフが出てきて笑ったよ。これってもろに誰かさんのことだよね。日本人としては笑わずにはいられない。

ヴェルネ達の捜査拠点が書店の地下ってなんかカッコイイな。実は遺跡でどこかにつながっているとかないんだろうか? ヨーロッパってけっこう地下の遺跡を活用していると聞くので、ローマ時代の遺跡につながっていたりしたらもっとカッコイイ。