今週のまとめ
人間関係って難しい。寅ちゃんは家族のために頑張ってきて、世の中の理不尽に我慢している人達の助けになりたいと頑張ってきて、だけどそれがいつのまにか増長につながっていく。自分がこれだけ頑張っているのだから、周囲もそれをわかって当然だと思い込んでしまう。自分にとって正しいことが、他の人にとっても正しいとは限らない。人間は感情の生き物だから、正しさよりも寄り添ってもらいたい時だってある。正論が人の心を動かすわけじゃない。そんなことを考えさせられた週だった。
夫から離婚の訴えを起こされた女性・瞳。彼女は別に正論を聞きたかったわけじゃない。ただ、自分の気持ちを誰かにわかってもらいたかっただけ。だからといって刃物を振りかざしていい理由にはならないけれど、正しさが人を傷つけることもあるということがわかるいい例だった。
もちろん寅ちゃんの立場上、夫と妻のどちらかに肩入れするわけにはいかないよ。でも、もっと別のアプローチの仕方もあったと思うんだ。あれでは上から目線で偉そうにと思われても仕方のない状況だったよね。瞳も別に本気で寅ちゃんを殺そうとしたわけじゃないと思うよ。本気だったらカミソリなんかじゃなくて、刃物を持ってきてただろうし。ただ一言「つらいわよね」という言葉が欲しかっただけなんじゃないだろうか。寄り添ってくれる言葉が欲しかっただけなんじゃないだろうか。あそこまで瞳を追い詰めた責任の一端は寅ちゃんにもあると思う。
それにしてもハッシーが迷いなく寅ちゃんに駆け寄ってくれて嬉しかったな。道男と初対面の時はヘビに睨まれたカエルのように動けなかったのに、寅ちゃんがピンチの時は迷いなく駆けつけてくれるんだな。ハッシー、初登場時のあの嫌な態度が嘘のように、いいやつになったなあ。寅ちゃんの転勤で涙ぐむ多岐川には抱きつくし、ハッシーの変貌ぶりが凄まじい。
そして今週はなんといっても寅ちゃんの家族問題。猪爪家がいつのまにか家父長制になっていた問題。家父長って別に父親などの年長の男性だけがなるものじゃないんだな。家庭の中で権力を持ったら、その人が家父長になるものなんだな。
この描き方うまいなあ。寅ちゃんは今までずっと「男女の性差は関係なく、すべての人が平等に」を理想に掲げて頑張ってきたけれど、まさにいま猪爪家では性差関係なく家父長制問題が起こってしまった。
寅ちゃんと花江ちゃんの言い合いは夫婦喧嘩そのものだった。仕事に邁進する父親と子育てに追われる母親。仕事に没頭するあまり家庭をかえりみなくなった夫と、それに不満を抱く妻。どんな形の家族であれ、起きる問題は一緒なんだなあ。
思いっきりケンカして、溜め込んでいたものをすべて吐き出して、一夜明けたらまた何もなかったかのように元に戻って・・・それの繰り返し。でもそれを良しとしなかった寅ちゃんは偉いと思うよ。思うけど「家族会議を始めましょ」と一方的に切り出すのは、やっぱり寅ちゃんが家父長だからなんだよな。
今回はありがたいことに花江ちゃんの子ども達が本音をぶつけてくれたからうまくいったようなものだけれど、実際はここで発言するのってかなり難しいよね。すでにピラミッドの構図ができてしまっているからな。寅ちゃんは気づいていないけれど、正論で他人の口をふさいでしまうところがあるからな。あなたの言ってることは正しいけれど、でもそれを言われたらこっちは何も言えなくなるじゃんって思うことあるよね。寅ちゃんは正しいことを言っていても、人の気持ちを無視している。なんでもかんでも正しければ、それが間違っていないってことにはならないんだよ。正論で人の気持ちは動かせない。このことがわからずに、古今東西の歴史上の偉人たちがたくさん失敗してるからな～。人間って大昔から何も変わらない生き物だ。
今週はよねちゃんと轟の出番はないのかな～と残念に思っていたら、ラストに登場してくれた！ 轟～♪ 相変わらずいい奴だ、轟～♪
轟ってばすっかり角が取れて、なんだか演じている役者さん本来のほんわかムードがあふれ出してる気がするんだけど（笑）。朝イチのプレミアムトークで図解していた轟の部屋が映ることはないんだろうか。すっごく見てみたいぞ、轟の部屋。
そしてよねちゃんは司法試験を受けないのかな？ よねちゃん、もしかして試験で落とされる＝人格否定されることを恐れてる？ 能力ではなく外見で落とされるのってキツいよね。敗戦で人々の価値観がガラリと変わって、民法が改正されたと言っても、根強い偏見は残っているだろうからな。しかもまだこの時代に男装なんて受け入れられないだろうからな。でも早く弁護士になったよねちゃんの姿を見てみたい！ 轟と肩を並べて頑張っているよねちゃんの姿を見たいぞ！！
で、予告でなんで寅ちゃんは水死体みたいになってるわけ？ 優未ちゃんはまだお利口さんの呪縛が解けないし、航一は再登場するみたいだし、新潟編がどうなるのかまったく予測がつかないよ。
つぶやき（今週のまとめに書ききれなかった日々の感想）
※Xに投稿済み。投稿時より追記・修正あり
本日（7/8）の『虎に翼』(71)
・寅ちゃん派手と思ったら海外帰りか
・寅ちゃんの「ただいま」ぶち壊す多岐川さんナイス
・勉強のふりする子ども達が健気
・お土産が英語の本って押しつけがましいな
・竹中記者、久しぶり～。態度が丸くなった
・花江ちゃんの前ではのびのび、寅ちゃんの前ではお利口さんな子ども達
・花江ちゃんのナイスフォローに気づかない寅ちゃん
・竹中記者、相変わらず真贋の見極めが鋭い
・寅ちゃんの態度に周りがおやおやおや～
・梅子さんでさえ眉をひそめてるのはヤバイ
本日（7/9）の『虎に翼』(72)
・竹中記者の表情が・・・
・ラジオで上官をやりこめちゃダメ
・花江ちゃん、不満がたまってるな～
・正論だけで人の気持ちは動かせない
・寅ちゃんと花江ちゃんの会話が完全に夫婦
・寅ちゃんの思考回路が仕事人間のパパになっとるな
・猪爪家がいつのまにか家父長制に
本日（7/10）の『虎に翼』(73)
・84点にそんな秘密があったとは
・ささいな「ん？」の積み重ね
・手のかからないお利口さんを求めてた
・直明くん、はっきり言ってくれてよかった
・翌朝に何もなかったように接するの家族あるある
・弱っちくても助けてくれるハッシーかっこいいぞ
・正しければうまくいくわけじゃないのが人間関係
・大吉さん、かるたの内容よく聞いてる
本日（7/11）の『虎に翼』(74)
・道男がいい仕事したな
・直人と直治の意見を言語化する能力すごい
・子ども達より直明のほうがストレート
・優未ちゃん「はい」即答。行きたい？行きたくない？真意はどっち？
・桂場はツンデレか！
・多岐川はデレデレか！
・ハッシーがどんどん可愛くなっていく
本日（7/12）の『虎に翼』(75)
・優未ちゃんの「はい」はいい子にしてるだけ？
・竹中記者、「生きてるうちに」不吉な発言するのやめてー
・確かにこの時代に娘が韓国人とのハーフと知られるのはマズイよな
・多岐川の唐突なる水行が始まった！
・初めてなのにハッシーと稲垣の水かけのタイミングがバッチリ
・多岐川は感激屋さん。周りも引きずられてないか？
・今週初のよねちゃんと轟キターーーッ
・よねちゃん、司法試験で人格否定されるの恐れてる？
・優未ちゃん、すぐにはお利口さんをやめられないよね
・なんか予告で寅ちゃんが水死体みたいになってたんだけど！？
