The History Hour

華流ドラマ・海外ドラマの感想や幻想水滸伝のプレイ日記が中心。推しを愛でるのが目的なのでネタバレ満載です☆

【2024夏】海のはじまり #5:シングルマザーを巡る物語

2024年7月29日(月) フジテレビ

なるほどな~。このドラマで描こうとしているのはシングルマザーを巡る物語なんだな。ようやくテーマが見えてきて、納得がいったというか、腑に落ちたというか。

だから夏くんと弥生の関係とか、海ちゃんを引き取るかどうかについては後回しになっているのか。まあ、夏くんと弥生のことは次週でようやく本格的に取り上げられるみたいだし、海ちゃんをどうするかについては、きっと最後に決着がつくんだろうな。なんかいろいろ順番がおかしい気はするけれど、描きたいテーマがそこじゃないなら、こういうシナリオもありだとは思う。

 

なんだか朱音さんがずいぶんと夏くんに優しくなってきた。まだ海ちゃんのことを両親に話せていない夏くんに「なにやってんの」と叱ったり、まるで朱音さんが夏くんの本当の母親みたいだよ。今まで朱音さんの態度にはどうかと思うところもあったけど、今回に限っては朱音さんに全面的に賛成だ。夏くんはもっと早く両親に話すべきだよな。

 

で、夏休みの1週間、弥生はほったらかしか。結婚するかどうかもわからないのに、弥生はよく夏くんとつき合っていられるよなあ。まあ、そのことについては次週深堀りしてくれるみたいなので、今はあまり突っ込まないでおこう。

 

そして今回のメインである両親に報告するシーン。ようやく夏くんが両親に海ちゃんのことを話せたよ。お母さんの反応は至極まっとうだと思う。そうだよな。当時付き合っていた彼女が中絶したことを両親に話さなかったのは問題だよな。今までそのことについては特に気にしていなかったけど、確かになんでそんな大事なことを両親に黙ってたんだって思う。中絶したら、はい終わり。もう終わったことだから、家族には関係のないことだって夏くんは思ったんだよね。隠せるものなら隠しておきたいって思ったんだよね。

ここはけっこう目から鱗の思いだった。なかなか自分の身の上として中絶のことを考えないと、こういうことにまで考えが及ばない。そのことに気づかせてくれたよいシーンだったと思う。

 

ただ、全体的にあまりにも女性視点に偏りすぎているのがなあ。それもシングルマザーの立場ばかりにスポットを当てているように感じるのがなあ。

シングルマザーの実態とか、立場とか、苦労とか、そういうのを描くのはよいと思うよ。ただ脚本がシングルマザーに肩入れしすぎているように感じるんだよな。たとえばさ、弥生が美容院であのお客さんのことをそこまで気にする必要ってある? 彼女と弥生では立場が違うんだから、弥生は弥生で普通におしゃれを楽しめばいいじゃん。別にあの人と比較して自分が贅沢してるとか引け目に感じる必要なんかないじゃん。

その人の立場や考えなんてさ、千差万別なんだから。贅沢しているように見えても、人知れず苦労している人なんて世の中にたくさんいるんだから。それぞれの立場をドラマでは公平な視点で描かないと、せっかくシングルマザーのことを描いても、逆に視聴者の反発を招くと思うんだよな。これみよがしにされたらさ、鼻につくことってあるよね。たとえば電車で高齢者に座席を譲ろうと思っていても、これみよがしに座席を譲れと言わんばかりの態度を取られたら、逆に譲りたくない気持ちにならない? それは私の心が狭いからか?

話が逸れたけど、つまりはそういうことで、どうもこのドラマは説教臭いというか、脚本家の価値観を押しつけてくる傾向がある気がする。せっかく良いテーマを描いているのに、どうにも押しつけがましく感じる部分が多々あるのが残念だ。

 

で、津野くん。今までは、この人いったいなんなんだ。なんでこの人いるんだろうと思っていたけど、今回ようやく彼の存在意義が見えてきた。なるほどな。本来なら、夏くんと弥生、それに月岡家と南雲家だけの問題で収まる話だけど、実際にはこういう人達がいるんだよな。水季が一人で子育てを頑張っていたときに、そばで支えてくれた人。一人ではどうにもならなかった時に、力を貸してくれた人。こういう人達の存在って確かに忘れられがちだけど、津野くんがいたからこそ水季は生活できていたんだよな。そういう人達の存在に目を向けさせてくれるこういうところは本当に秀逸だと思う。

 

さて、次回はずっと気になっていた弥生の気持ちに焦点があてられそう。弥生はどうするつもりかな。海ちゃんの母親になる発言はしていたけど、夏くんと結婚するつもりはあるのかな。そして恋人の元カノに子どもがいたという事実をちゃんと受け止められているのかな。なんだかみんな善人すぎて、海ちゃんの存在をすんなり受け入れているけれど、現実にこんなことが起こったらかなりの修羅場になるよなあ。