The History Hour

華流ドラマ・海外ドラマの感想や幻想水滸伝のプレイ日記が中心。推しを愛でるのが目的なのでネタバレ満載です☆

【2024夏】海のはじまり #12:母と娘の物語

2024年9月23日(月) フジテレビ

『海のはじまり』終わった~。

全体の感想としては、いいドラマだったと思う。

扱うテーマが繊細で、大きな動きがあるわけでもなく、限られた登場人物の中であれこれやりあっているだけなのに、途中で飽きることなく最後まで完走することができた。

ただ、前回の感想でも書いたけれど、登場人物達のセリフが強引だったのが気になる点かな。すでにストーリー展開が決まっていて、その展開に添うようなセリフを言わされている感があったんだよな。まあ先に展開が決まっているのは当たり前なんだけど、どうも作為的に感じるセリフが多かった。そのへんをもっと自然な流れに持っていけていれば、感想もまた違ってきたとは思うんだけど。結果、誰も彼もが自己中心的というか、デリカシーに欠けるというか、普通はそんなこと言わないだろうというようなことを言う人達ばかりで、どうも現実の人間からはかけ離れている気がした。海ちゃんもちょっと良い子すぎるし、あの年代の子どもとは思えないようなうがったセリフ言ってたしなあ。

あと、海ちゃんの育て方について、話し合いの場が設けられなかったのも変な気がした。普通、夏くんが海ちゃんを引き取る前に、海ちゃんにとっておばあちゃん家で育つのと、夏くん家で育つのと、どっちが幸せかを大人同士で話し合って決めるものだろう。それに実際問題として、夏くんに海ちゃんを育てられるのかということを、もっと話し合うべきだろう。それなのに、その辺の話し合いが一切なくて、すべて精神論だけのお話になってしまっているのが気になった。まあ、このドラマはそういう現実的なことより、気持ちの問題をテーマにしていたのはわかるんだけど。でも、最初の頃はそういうドラマなのだとわかっていなかったから、なんで誰もその辺りのことについて話し合おうとしないのか、訳がわからなくて違和感ありまくりだった。

 

最終的にこのドラマは、母と娘の物語だったんだよなあ。夏くんが主人公なんだけど、物語の中心にはいつも水季がいて、水季と海ちゃん、水季と朱音さん、そして弥生と生まれてこなかった子どもの話だったんだよなあ。

ラストの朱音さんのシーンにはグっときた。「娘の遺影」って強烈なワードだよな。娘の遺影を選んでいるところを想像するだけで、それがどれだけで辛いことなのか朱音さんの気持ちが察せられるシーンだった。

弥生のことも夏くんとの関係よりも、弥生と中絶した子どものことに重きをおかれていたように思う。弥生が夏くんと一緒になろうとしたのだって、海ちゃんの母親になりたいっていう気持ちが強かったからだもんな。きっとこのドラマが始まる前の弥生と夏くんは、普通に恋愛してお互いに結婚も考え始めていたんだろうけれど、海ちゃんの存在が明らかになってからは、弥生は海ちゃんの母親になることしか考えてなかったもんな。そこが私としては物凄く違和感があったんだけど、これは弥生と中絶した子どもの物語でもあったんだと思ったら、夏くんよりも海ちゃんにこだわり続けた弥生の立ち位置を理解できた。理解はできても納得はしていないけど。最初の話に戻るけど、ここも無理やり感のある展開だったと思っている。

 

まあ賛否両論の別れるドラマだったらしいけど、個人的にはいろいろとあり得ない物語だったという印象。ドラマとしては悪くはないけど、現実問題としてちょっとあり得ない。主に登場人物の言動があり得ない。でもこれは精神論のドラマだから、そこさえ割り切って見ればよい内容のドラマだった。脚本家が何を伝えようとしているのかもわかりやすかったし。いろいろ気になる点はあるけれど、見てよかったと思う。

 

★視聴しながら思ったことあれこれ覚書★

★津野くんが便利屋になってるよ。津野くんが夏くんの家に来るくらいなら、海ちゃんがおばあちゃん家に行けばいいじゃん

★津野くんと弥生と大和が夏くんの家で鉢合わせでカオスなことになってる(笑)

★津野くん、海ちゃんと二人分のケーキを買ってきたのに、結局津野くんが追い出されたのか

★水季は津野くんと結婚してればよかったと思う。そうすれば津野くんと海ちゃんで自然に父娘になれたと思う

★最終的に夏くんが周囲に頼るようになってよかった

 

はてなグループに参加中★